メルマガ(メールマガジン)配信とは、商品情報・キャンペーン・読み物コンテンツなどを、登録済みの顧客に対して定期的にメールで送信するマーケティング手法です。
なお、「メルマガ」は「メールマガジン」の略称です。英語では「Email Newsletter」や「Email Marketing」と表現されます。近年はLINEやSNSのプッシュ通知に押されがちですが、通販・ECにおけるメルマガ(メール配信)は、開封さえしてもらえれば一人ひとりに詳細な情報を届けられる点で、LINEや広告にはない強みがあります。
ECにおいてメルマガが担う役割は、「新規購入者をリピーターに育てること」と「既存顧客との関係を継続して維持すること」の2つが中心です。広告で集客したお客様に繰り返し接触し、再購入・クロスセル・アップセルにつなげる手段として、今も有効なチャネルです。
ただし、「メルマガを始める=配信ツールを契約する」と思っている担当者が多く、設計を後回しにしたまま配信を続けた結果、開封率がどんどん下がっていくパターンをよく見ます。
メルマガ配信をEC集客・リピート促進に活かすには、ツール選定より先に「設計」を決める必要があります。
全員に同じメルマガを送り続けると、関係性が薄い読者には「関係ないメール」になり、配信停止や迷惑メール報告につながります。
最低限、「新規購入者」「リピーター」「未購入の会員登録者」の3セグメントくらいに分けて、メッセージを変えることを最初から想定してください。購入回数・最終購入日・購入商品カテゴリーなど、どのデータでセグメントするかを先に決めておくことで、後からCRM・MAツールを導入したときにスムーズに移行できます。
「商品一覧を羅列したメルマガ」は読まれません。受信者にとって「カタログが届いた」感覚になるからです。
EC現場でのメルマガのコンテンツ設計として、効果が出やすいのは次のパターンです。1本の商品をピックアップして背景・こだわり・使い方を深掘りする「読み物型」、購入後の使い方・よくある失敗・お手入れ方法などを教える「フォロー型」、そして季節やキャンペーンに合わせた「タイミング型」の3種類です。
一般的にECのメルマガ開封率が高いのは、火曜〜木曜の午前10時前後や夜20〜22時台といわれています。ただし、商品カテゴリーやターゲット層によって異なるため、自社のデータでテストしながら最適化するのが基本です。
重要なのは配信頻度の設計です。週に3回以上配信すると「読者の慣れ・疲れ」が起きやすく、開封率が下がります。週1〜2回に絞って1通あたりのクオリティを上げる方が、長期的に開封率が安定します。
「メルマガを配信すること」が目的にならないよう、KPIを決めておきます。開封率・クリック率・配信後7日間のCV数・購入単価の変化など、何を見て「うまくいっているか」を判断するかを先に決めてください。
EC・通販においてメルマガの効果測定に使われる代表的なKPIは、開封率(業界平均15〜25%)・クリック率(平均2〜5%)・配信後7日以内のCV数・配信経由の売上金額の4つです。最低限この4指標を月次で追うことで、コンテンツ・配信タイミング・セグメントのどこを改善すべきかの判断ができるようになります。
設計が固まったら、ツールを選びます。
ECのメルマガ配信ツールは、大きく「カートに内蔵されたメール機能」と「外部の専用ツール(Klaviyo・MailchimpなどのCRM・MAツール)」の2択です。
Shopifyを使っている場合、Shopify メールはセグメント配信・自動化(ステップメール)の基本機能を備えており、まずはこれで始めることができます。将来的に精度の高いパーソナライズ配信・ABテスト・詳細な行動トリガーを使いたくなった時点で、KlaviyoなどのMA連携を検討するのが現実的な進め方です。
メルマガ配信はメールマーケティングの一手段です。メールマーケティング全体には、一斉配信のメルマガに加えて、購入後に自動送信するステップメール・カゴ落ちメール・誕生日メールなどの自動配信施策も含まれます。
まずは一斉配信のメルマガから始めて、顧客の反応データが蓄積されてきたら自動配信施策に展開していくのが、現実的な進め方です。
メルマガ配信を始める前に決めておくべきことは、配信ツールの選定よりも「誰に・何を・いつ・何のために」という4つの設計です。
設計が先にあれば、ツールの切り替えが必要になっても軸がぶれません。「今すぐ始めなければ」と焦ってツールを契約する前に、一度設計を整理することをおすすめします。メルマガの設計からツール選定まで、ご相談お気軽にどうぞ。
記事では答えきれない個別の状況にもお応えします。