EC担当者が突然退職してしまった。あるいは最初から「誰かがついでにやる」という形でスタートしたEC——こうした状況でご相談にいらっしゃる経営者の方は、とても多いです。
「うちだけがこんな状況なのか」と思われているかもしれませんが、中小ECの多くは似たような状況を経験しています。専任担当がいないからといって、ECを止めるわけにもいかない。でもこのまま続けていけるのかも不安——そんなご状況だと思います。
「いない状態」を嘆くよりも、「いない状態でどう回すか」を設計することが先決です。現実的な3つの選択肢をお伝えします。
EC運用を専門とする会社や個人に業務を委託する方法です。広告運用・メルマガ配信・商品登録・データ分析など、特定の業務だけ委託することも、運用全体を丸ごとお願いすることも可能です。
ただしこのとき大切なのは、**「丸投げにしない」**ことです。月次レポートの共有・月1回の定例ミーティング・KPIの設定——この3点だけは社内で握っておくことをおすすめします。これができていないと、「なんとなく動いてはいるけれど成果が見えない」という状態が続いてしまいます。
外部パートナーは「EC担当の代わり」ではなく、「EC担当の仕事を分担する存在」です。その位置づけを最初から明確にしておくことが、うまく活用できるかどうかの分かれ目になります。
現状すでに誰かがEC業務を兼務している場合、その担当者に「正式な権限」と「EC専用の時間」を与えることが、最も早く効果が出る改善策です。
「ECをやってほしいが、他の仕事も同じくらい大切」という状況では、EC業務は常に後回しになります。週の仕事時間のうち何割かをEC専用に割り当てる、ベンダーへの発注権限を委譲する——この2つだけでも、パフォーマンスは大きく変わります。
兼務担当者に任せる場合は「何をどこまで任せるか」を明確にすること、そして定期的に状況を確認する場を設けることが重要です。任せきりにして「気づいたら何も進んでいなかった」という事態を防ぐためです。
受注確認メールの自動送信・発送通知・定期メルマガ配信など、繰り返し発生する業務の多くは自動化できます。ShopifyのFlowやMAツールを活用することで、人手をかけずに回る部分を増やすことができます。
まず「毎週・毎日同じことをやっている業務」をリストアップしてみてください。その中で「人がやらなくても済む仕事」を特定することが、自動化の第一歩になります。
専任担当がいない状態でのEC運営は、「外部委託」「兼務担当への権限付与」「業務の自動化」という3つの組み合わせで現実的に回せるようになります。
どれか一つに頼るのではなく、自社の状況に合ったバランスを見つけることが重要です。そしてどの選択肢においても、関わる人間同士が同じ方向を向いて動ける環境をつくることが、長く成果を出し続けるための土台になります。
「うちの場合はどの組み合わせが合っているか」という相談から、ぜひお聞かせください。一緒に考えます。
記事では答えきれない個別の状況にもお応えします。