「施策を打っているのに売上が伸びない」の正体
ECサイトの売上が伸び悩んでいるとき、多くの経営者が最初に疑うのは「施策が悪い」か「担当者の力不足」だ。しかし実際の現場を見ると、問題の根っこは施策レベルではなく、もっと上流の構造にあることが多い。
構造問題1: 集客と商品力のバランスが崩れている
広告費を増やせば一時的に売上は伸びる。しかしリピート率が低く、新規獲得コスト(CPA)が年々上がっているなら、それは商品力または顧客体験に問題があるサインだ。
広告は「すでに欲しい人に届ける」ツールであって、「欲しくない人を欲しくさせる」ツールではない。商品の強みが明確でなければ、どれだけ広告費を積んでも漏れるバケツに水を注ぐことになる。
チェックポイント: リピート率(2回目購入率)は何%か。業種にもよるが、20%を下回るようなら商品・体験の見直しが先決だ。
構造問題2: EC専任担当がいない、または権限がない
ECが「誰かの兼務」になっている会社では、施策のPDCAが回らない。なぜなら、分析・施策立案・実行・改善のサイクルを回すには相当の時間と集中力が必要で、それは片手間でできるものではないからだ。
また、専任担当がいたとしても、広告予算の変更・ベンダー選定・カートリプレイスなどの意思決定に経営者の承認が必要で、そこで止まってしまうケースも多い。現場への権限委譲と、判断基準の言語化が求められる。
構造問題3: 目標設定が「売上」だけになっている
売上は結果指標だ。売上だけを追いかけると、現場は「何をすれば売上が上がるか」ではなく「売上が上がらないときにどう言い訳するか」を考えるようになる。
経営者がECに求めるべき指標は、売上の前段階にある数字だ。セッション数・CVR・客単価・リピート率・LTV。これらのどこに問題があるかを把握することで、初めて打つべき施策が見えてくる。
まとめ
EC売上の伸び悩みは、担当者の問題である前に経営の問題であることが多い。「施策を増やす」前に、体制・権限・目標設定の3つを見直してみることをすすめる。
